とるにたらない
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
④薫→京
諦観か怠惰か、偽りか。
「見守るだけの愛なんて」
「傍にいるだけでええなんて」
「そんな都合のええもんが、ほんまにあると思うか?」
俺はな、側面としてはあると思うで。
諦めているのか面倒なのか自分を偽っているのか。
そんなふうに歪んだものやったとしても。
自分を正当化するんは得意やからな。自慢やないけども。
「京くんにそう言われてもうてん。応援してくれとんのはわかんねんけど…」
「やけど踏み出されへんねやな」
京くんはな、単純に応援してくれてんちゃうで。
やけど人一倍気持ちに敏感やから、おまえが悩んでるの見たないって思ってんねんで。
「人に聞いて悩んで、それで答えが見つかるんか?」
「……それは」
「自分のしたいようにせぇ。それが出来へんのは逃げてるのと同じやぞ」
俺こそ応援はしてるけど、焚き付けるようなことは言わへん。
もし駄目で、京くんの方に甘えてこられたら困るから。
な、利己的やろ?
自然に口調がきつくなるんは、嫉妬してるからには違いない。
京くんが誰んこと好きでも仕方ない、そう割り切ってるからこそ遠ざけたく思う。
「それもそうやんな。……ありがとう、薫くん」
「ちゃんと自分で考えなあかんよな」
悪意に疎く弱いこいつはガードが甘くて、羨ましいほどまっすぐに物事を受け取る。
そんなところに京くんはひかれたんやろか。
なら、俺には逆立ちしたって無理な話なんやな。
卑怯にも半端に試合放棄した俺は、結局のところ中途に彷徨う。
諦めたふりして一番執着してるんは、認めたなくても俺なんやから。
PR
この記事にコメントする
カレンダー
12 | 2025/01 | 02 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | |||
5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
最新記事
(06/07)
(06/07)
(06/06)
(06/05)
(06/02)
プロフィール
HN:
kei
性別:
非公開