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とるにたらない
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暇な人向け。
物書きらしくあとがきなんぞ書いてみたものの集まり。

ちょっと昔(2年くらい前)のブログからひっぱってきたので、
内容は古かったりします。






-----*ここから*-----

◆曖昧模糊の空の下
マガの締めくくりとしてマガタイトルで書いてみました。
だいじなひとがいなくなって、世界が曖昧模糊に感じられる、というような話。
薫にだけ見えるようになった堕威くんは、本当に本人なのか、はたまた薫が生み出した幻なのか、それとも擬態しているだけの何か別のものなのか、それが傍目(敏弥)には分からない。
何にせよそれによって連れて行かれそうな気がして、怖い。みたいな話なんですけど、得体の知れない怖さがあんまり伝わってこないような…
要・精進です。

◆愛犬と散歩
猛烈に薫心が書きたくなって書きました。
ヘタレとしっかり者イメージ。
心夜って結構活発だよなー活動的なんだろうなーと思いながら書きました。そこそこ気に入ってます。

◆リミット・ブレイク
何のことはない女体化続き。
出血ネタな上やまもおちもない。
堕威くんにはぜひとも甲斐甲斐しく世話を焼いてほしいと思う。

◆誤作動
書いてて話が変わってきちゃったヨ!というよくありがちな話のうちの一つ。
タイトルの誤作動に関しては両者とも、の意のつもり。
理性が吹き飛ぶ瞬間。

◆白葡萄
これまた何気ない話ですが気に入ってます。
日常の中の1ページというかんじ。
初々しさとか青春をイメージしてみました。

◆coda
時とともに変わる関係性、というのが主題。
で、これは視覚的なイメージをそのまま文章にしたような感じです。
句読点のない部分は漫画で言うモノローグ的な。
読んでいて情景が少しでも浮かんでもらえたらいいなーなんて思ったり。

◆きみのかわり
君の代わりに、君をなぞって君を愛す。みたいな。
君と同じことをやっているんだよという悦楽。
歪んでます。

◆大体そんなもの
ある種の何かを諦めてしまいました。

◆AI
あいとエーアイをかけてみました。
ていうかそのまんま。
電動式の続きが読みたいと言って下さった方がいましたのでリクエストにお応えしてみました。

◆保存願望
俺の部屋、ベランダを見れば~はそのまま黒澤の部屋の話だったり。
虫は腐ったりしないっぽいですよね。しらんけど。
蟻に引かれない限りそのまんまのような気が。
……なんてなことを考えつつ書きました。

◆ふと思う、この関係。
会話のみなので書くのは結構楽でした。
どんな状態なのか書かないことで、逆に自由に想像できるかなーという。

◆孕む。俺と君
ブログから発掘したものに別視点を加えたもの。
愛を孕むか憎を孕むかは君次第。

◆Bloody Craziness
直訳で血の狂気。まんま。
起き上がりこぼしのように倒しても倒しても起き上がってくる!みたいなものをイメージしたのである意味ではギャグなのですが、シリアスめな仕上がりになってしまいました。不思議。

◆性質が悪い
リバっぽい感じのかおきょは大好きです。

◆宵嵐
昔の恩師と生徒との関係っていうのもなかなか味があるなあと思って書きました。

◆一ツ屋根の下。
としきょ同棲。この二人は本当、持ちつ持たれつが理想。

◆mellow out
意味を調べてみたらいくつか出てきたので、相反しそうな意味で二つ。
明と暗なかんじで。

◆そばにある幸せ
発掘品です。おっさん乙女としか言いようがない。

◆きみにキスする
甘をめざしました。
書いててギャーな気分でした。
ひょっとすると私は軽く糖分アレルギーなのか。笑

◆背中合わせの共謀
共依存というリクエストをいただいて、まず考えついた話。
ふたりで背中を合わせあって、守り合って立っているイメージが浮かんだので書きました。オプション銃。
ちなみにどう考えてもリクの趣旨には合っていないのでこちらに。

◆すきだよ
これも宵嵐と同じく生徒と先生モノなのですがアプローチが違うかんじで。
純粋な想いと、応えたいのに応えてやれない大人の葛藤、っていう。


いま上げている分では、ざっとこんな感じですね。
はい。お粗末さま!




おまけのBC裏話。

実を言うと、最初は刑事モノみたいな感じでした。
特異体質の薫と西村警部と容疑者ダイくん。


・・・

一番疑わしいのはやはり、目撃者であり被害者の恋人であったこの男だった。
容疑者の名前は安東堕威。21歳、被害者と同じ大学に通う学生であった。
取り調べに際し、安東は始終怯えるような様子を見せた。

「その日は、彼女と会う約束しとって」

アパートに行ってみれば住人からの反応はない。
不審に思ってドアに手を掛けてみると鍵が掛かっておらず、慌てて中に入れば惨状が広がっていた。
安東はそう供述した。

「ただ、気が動転して……」

とっさに彼女を抱き起こしたそうだ。
返り血に濡れることも厭わなかった。
しかし既に彼女は事切れていて、瞳孔も開ききっていた。
それを確認した途端にパニックに陥ったのだという。
騒ぎを聞きつけて現れた近隣の住民に目撃され、人殺しだと糾弾されて更に混乱した。
そして、その場を逃げ出した――

安東は始終震えていた。
その様子を見ていれば、誰も「当時のことを思い出して恐怖心が甦っているのだろう」としか思わなかったし、それを疑うのは邪推のようでどこか憚られるようだった。
しかし、その供述を鵜呑みにするわけにもいかない。
どこか穴がある。そう思えた。
第一安東にはアリバイがない。

「……っちゅーわけやから、悪いけど薫くん、協力してくれへん?」

連続殺人事件、なのだ。
同じ手口で人が殺され、ようやく有力な手がかりらしきものが見つかった。
これを逃す術はない。

「京くんの頼みやったら、しゃあないな」

「ほんま、恩に着るわ」

「とりあえず、昼飯くらい奢ってもらおか。俺、吉野家がええなあ」

「………薫くんのそーゆーとこ、嫌やなあ」

「なんでやねん」


・・・

薫は唐突にその手鏡を離してみせた。
当然、鏡は重力に従って床へと吸い寄せられる。
パリンと音がして光を撒いたように破片が散った。
安東はただ呆然とその様子を見ている。

「あの……」

一体、何を。
そう問いかけようとしたときだった。
薫はふと破片のひとつを拾い上げると、袖を捲って片腕を惜しげなく曝した。
見つめる安東の目の前で、薫は薄く笑うと鋭利な破片を白い肌に沈ませる。
そして、おもむろにそれを引いてみせた。

「………!」

傷つけられた肌に、一筋の赤い線。
それは見る間に赤く血を滴らせ、床までもを濡らした。
ぱくりと口を開けた傷口と滴り溢れ出す赤から視線を引きはがせず、安東は目を見開く。

――血は。

駄目なのだ、
見ると激しい動悸がして。
呼吸が苦しくなって、背筋に寒いものが。

滴っていく赤は止まらない。
溢れては珠を作って、やがて壊れて地に落ちる。
その一連の動作を意識せずとも目が追っていることに、気づかざるを得なかった。



勿体ない。



舐めたい。
――舐め取りたい。
傷口を舌で抉って、一滴残らず喉に。

ああ、あんなに零れて。
勿体ない。
勿体ない。
勿体ない!
勿体ない?


思わず、頭を抱えた。
……なんて恐ろしいことを。
そんなこと、できやしない。
そんなこと異常だ。
勿体ないだなんて、舐め取りたいだなんてそんなこと。

目を瞠ったまま頭を抱え、荒く息をするその姿を、薫は腕から血を零しながら興味深げに見守っていた。



「どう思った?京くん」

「……クロやな」

「ふうん。吉野家頼むで」

「はい、はいっと。ま、協力してもろた礼やしな」

「当然や。俺の怪我と血はタダやないねんから」


そう言いながらも軽く振ってみせた薫の腕に、先刻の傷などは既にどこにもなかった。
ただ床に滲みた赤い血だけがひっそりと証拠を物語り、それすらも京の手で綺麗さっぱり拭き取られてしまうわけである。

・・・


ここまでは考えたけど、ちょっと刑事ものは自分にはまだ無理でした。笑
てなわけで急遽ファンタジーに宗旨変え。
それにしてもなんだ、変態くさいですね。笑



-----*ここまで*-----


ブログに書いてたやつ丸こぴ。
小話だけ若干加筆修正しました。なつかしー。笑
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